魔法科高校の劣等生 2 入学編(下)

まちの本屋ライトノベル

著:佐島勤

イラスト:石田可奈

差別と平等なんか関係なくギラギラ輝く姿に興奮します!
そして、お兄様の秘密が明らかになります(笑)

本のまとめや概要、感想・評価・レビューをしていきます。

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あらすじ

どこか達観したような面持ちを見せる劣等生の兄と、彼に肉親以上の想いを抱える優等生の妹。
一組の血の繋がった兄妹が、魔法科高校へ入学した。
成績優秀、才色兼備な妹・深雪が、主席入学生の慣例として魔法科高校の生徒会にスカウトされた。
そして兄・達也も、とあるトラブルを払いのけた事件をきっかけに、違反行為を取り締まる風紀委員にスカウトされる。
劣等生(ウィード)にもかかわらず、風紀委員メンバーとなった達也。
その活動中に、この学校を人知れず侵食する、謎の組織の存在と相まみえることとなる。

まとめ

上巻のトラブル(剣術部との乱闘)を払いのけてからの続きです。
剣術部との乱闘は14人を相手に互いに無傷で切り抜けた司波達也は、部活連本部でことの顛末を報告していた。
報告を聞いていたのは部活連会頭の十文字克人。生徒会長の七草。風紀委員長の渡辺であった。
十文字克人はそこにいるだけで存在感の密度が桁外れな人物だと達也は感じた。
報告後、達也を待っていた、深雪とエリカ、美月、レオたちとケーキ屋で奢ることになる。
その際に剣術部の乱闘を切り抜けたときの話になった。
達也は、常人にはできない新しい魔法を理論的に編み出しその魔法を使って剣道部との乱闘を切り抜けたという。
その魔法とは・・・
その話を聞いた深雪以外全員が驚愕した。

剣術部と剣道部の当事者であった、壬生紗耶香からお茶に誘われる。
それは、好意を抱いて声をかけたというわけではなく、剣道部の壬生紗耶香から部活の勧誘という名目で別の目的を含んだものだった・・・
その勧誘に対して、達也が鋭い質問をした。
壬生紗耶香はそれに答えられず、次回に持ち越しとなる。

深雪と魔法否定派団体が存在しているという話になる。
それは、才能のない魔法師たちが努力しても才能のない現実から逃避したいという気持ちを利用して、 魔法で評価されない社会を実現をうたったものである。
そして、この団体の手が第一高校にも及んでいるという話だった・・・

壬生紗耶香と2回目の面談。
前回答えられなかった質問の答えを達也に伝えたが、達也の鋭い指摘に反論できず、 「先輩とは主義主張が共有できないようです」と突き放され話が終わる。

その後、平和な日常に戻ったと思った矢先、「学内の差別撤廃を求める有志同盟です!」という放送が全校に流れる。
その中にいた壬生紗耶香が結局、達也に上手く乗せられて? 風紀委員に取り押さえられるが、生徒会長の七草に交渉に応じると言われ有志同盟は連れていかれてしまう。
翌々日、生徒会長と有志同盟で全校生徒の前で討論会を実施することとなる。
討論会は同盟の質問・指摘に七草会長が答えるという形式で行われたが、 有志同盟は具体的な質問ができずに、七草の演説会の様相を呈してきた。
七草の「ときに校内をあおりさえする差別意識が問題なのです。 ですがそれは、新たな差別を作り出すことによる解決であってはならないのです。 一科生も二科生も一人一人が当校の生徒であり、登校の生徒である三年間はその生徒にとって唯一無二の三年間なのですから」
という発言により、一科生だけでなく二科生からも拍手が起き、全校生徒が七草を支持する雰囲気になった。

しかし、主犯がここで終わるはずもなく・・・
轟音とともに、襲撃が行われた。しかし、討論会会場は服部副会長卓越した魔法技術により難なく鎮圧された。
他でも、襲撃が起こっており、達也、深雪、エリカ、レオが鎮圧に向かった。
相手の狙いは図書館であるとわかり、レオが図書館の前をエリカが図書館のホールで戦闘に参加した。
図書館内は達也と深雪が戦闘へ向かった。
図書館内にいた壬生紗耶香と小競り合いになるが、達也は壬生紗耶香を逃がす。
しかし、逃げた壬生を待っていたのはエリカであった。
因縁の相手と思っていた風紀委員長である渡辺と同じ魔法を使うエリカに渡辺を重ねて、闘志をむき出しにしてエリカに立ち向かうが・・・
その後、保健室でなぜ風紀委員長の渡辺摩利を目の敵にしていたのか? その理由と勘違いであったことの原因がわかる。

その原因である組織を打ち倒すべく、達也、深雪、エリカ、レオ、桐原、十文字が動く。
組織がいる建物へ達也、深雪は入口から、十文字、桐原は出口から侵入し、レオはこき使われ、エリカはお留守番で終わった。
達也はみなには秘密にしている魔法を使って制圧した。
その魔法は「分解」。
(物体、肉体、情報体問わず、分子レベルまで分解してしまう能力だった。
達也は、この能力ともう一つの能力により他の魔法が思うように使えない。)

達也の特異な魔法「分解」により、達也無双でテロリストは瞬殺された・・・

事件の後始末はすべて十文字が引き受けた。
魔法師の頂点に君臨する十師族によれば普通の警察が手を出さない。
つまり、十師族である十文字が関わったことに普通の警察は手が出せないのである。
そのことにより事態は事なきを得た。

達也も入学後、やっと平和な日常を手に入れ始めていた5月。
壬生紗耶香の退院の日になった。
達也と深雪はお見舞いに来た。
そこには、笑顔で迎える壬生紗耶香とエリカと桐原の姿があった。
どうやら、桐原と壬生紗耶香は付き合うことになったらしい・・・
それをエリカがいじっているところに達也たちが合流した。
エリカのいじりに壬生紗耶香がなぜ、達也ではなく桐原なのか本音を漏らしてしまう。
エリカは「ごちそうさま」といい、ほっこりした雰囲気が流れる。
そんな雰囲気の中、達也と深雪は学校に戻る・・・

ここで下巻終わりです!

感想

緊迫した状況の中を切り抜け最後にほっこりするストーリーでした!
読後感、すっきりする話、個人的に好きなんですよね・・・
政治的テロ組織との戦いって興奮しますよね。

今回は、他の登場人物の活躍も見れて面白かったです。

生徒会長七草真由美の演説

ずっと羨望のまなざしを受けてきて、嫉妬とかたくさん受けてきたであろう七草会長が、 仲間はもちろん、嫉妬をしてきた人たちにも黙らすだけでなく、称賛される演説をしてしまう姿がかっこいいです!

エリカの剣術戦闘(魔法と剣技を組み合わせた戦闘技法)

千葉家という剣術の名門で副会長よりも剣技が上というハイスペック美女が、 壬生紗耶香にあざやかに勝つだけでなく、卑屈になってしまった心も叩き直す姿素敵でした!

レオの脳みそ筋肉系魔法戦闘

体を硬化して突き進み、達也に酷使されてへとへとになっている感じが面白かったです!

十文字と桐原のゴミを処理していくような戦闘

前の巻で桐原は達也に瞬殺されていましたが、やはり強かったです。銃弾が飛び交う中駆け抜けていき、 剣でバッタバッタと倒していく。そして、十文字は一族の特異魔法で銃弾をすべて受け止めてしまう。
また、十文字は十師族という警察が介入できない組織の人間で事態を簡単にこちらの都合の良いように収束させてしまう。
桐原は確かに強いですが、やはり、十文字と一緒にいると霞んでしまいますね。その十文字は最強の感じがひしひしと伝わってきます。
それに、十師族とはどんな組織何でしょうか?今後わかっていくんでしょうか?気になります。

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深雪の冷却魔法による瞬殺戦闘

数十名いる敵に対して、お兄様に害をなそうとしたという一点で、全員凍らせてしまうという何というチート。
兄妹そろって最強ですか(笑)
また、ブラコンの行き過ぎ感が一周して可愛いと思ってしまいました。

登場人物みんな強すぎですね・・・(笑)
ただ、その中でも一際輝いていたのがお兄様でした!
敵と近い境遇にいながら敵の勧誘にもまったく揺るがない信念と言動。
魔法戦闘でも常人ではできない魔法を理論的に編み出したり、お兄様にしか使えない「分解」の魔法を駆使しテロ組織を無双する・・・
お兄様まじかっこいいです!さすがですお兄様!
そして、お兄様の秘密がまた一つ明らかになりました・・・
その魔法は「分解」。
(物体、肉体、情報体問わず、分子レベルまで分解してしまう能力だった。
達也は、この能力ともう一つの魔法により他の魔法が思うように使えない。)


「分解」とか最強すぎます。
お兄様が認識できるどんな攻撃も防御も無効化してまう。そして、破壊力抜群ってことですよね。
殺し合いであれば絶対に負けないですよね、これ。
そして、もう一つの能力がある・・・
「分解」ともう一つある・・だと・・?
ひとつの魔法でも最強なのにこれともう一つ魔法がある。
他の魔法なんか使えなくても問題ないですよね!
むしろ、必要ない気が・・・
今後もお兄様の秘密がどんどん明らかにされていくんでしょう。
続きがめちゃめちゃ楽しみです!

お兄様は、あと何個秘密を残しているのか・・・(笑)

そして、今回の設定もさすが、「魔法科高校の劣等生」でした!
面白くて一気に読んでしまいました。
設定の話は私には難しく最初は入って来ないのですが、 2回目、3回目と読んでいくとわかってくるので最初はストーリーを楽しむだけのほうが読みやすいかもです!
差別することにも平等にも意味が複数あることがテーマとして上がっていて面白いと思いました。
確かに、実力を評価しない平等は、等しく冷遇する社会になりえますし、 実力を評価する社会は格差が生まれ、差別意識を助長する社会になりえるのだと思いました。
しかし、そんなことを無視して突き進んでいく登場人物が爽快で好きです。

次は九校戦編(ハリーポッターの三大魔法学校対抗試合に似ている)です!
どんな活躍になるのか!他のキャラクターの活躍を含めて楽しみです!
きっとお兄様の無双が読めるのでしょう・・・

最後に私が個人的に好きな場面を!
達也と深雪が学校に戻る際に、深雪が実力があるのに高校で侮られるのは不快ではないのですか? という発言に対しての達也の返答です。
「俺は嫌々高校に通っているわけじゃないよ。この日常は今しか経験できないとわかっているからね。 お前と普通に学生でいられることが楽しいんだ。そういうわけで今日のところは日常に戻ろうか」

理不尽だと思う私生活にうんざりとしている人におすすめです!
お兄様が理不尽を一掃しさわやかに解決してくれます!

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