君の膵臓をたべたい

まちの本屋小説

著:住野 よる

読後、このタイトルに涙します!夏目漱石の「月が綺麗ですね」現代小説にするとこのタイトルだと思いました!

本のまとめや概要、感想・評価・レビューをしていきます。

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あらすじ

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

内容(「BOOK」データベースより)

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
住野/よる

高校時代より執筆活動を開始。『君の膵臓をたべたい』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

まとめ

①「君の膵臓をたべたい」

夏の期末試験前に【僕(秘密を知っているクラスメイトくん)】と【彼女(山内(やまうち)桜(さく)良(ら))】が図書館の片付けをしている二人の会話の中で彼女が言った言葉だ。
僕が問うと彼女は「昨日テレビでみたんだぁ~昔の人はどこか悪いところがあると、他の動物のその部分を食べたんだって」という・・・
それから、僕と彼女の仲良しな冗談の言い合いがつづく。
彼女はとても明るい性格で友達が多い。僕は、友達がいなくて一人で本を読んでいるタイプだ。

②「彼女の秘密を僕が知った理由」

【僕(地味なクラスメイトくん)】が病院の待合室にいると1冊の本を見つけた「共病文庫」という題名だった、読んでみると膵臓が悪くて死ぬと書かれた日記だった・・・。 それを読んでいるときに声をかけてきたのが彼女で、僕が気を使っていると明るくその本の持ち主だと暴露してきたのだ。
結果、日曜日焼肉デートをすることになる。帰りに自殺用のロープを買って帰った。

③「昨日のデートがうわさになる」

彼女はクラスメイト達になんで【僕(仲のいいクラスメイトくん)】と一緒にいたのかと問い詰められていた。僕はクラスメイトからの視線を無視していた。
帰りに彼女が僕に話しかけてきて、デザートパラダイスに行くことになる。
しかし、僕は生クリームが苦手だった。それを彼女にいうと「甘いものだけじゃなくて、パスタとかカレーとかピッツァもあるよ」といった。
僕は「それはすごく朗報だけどピザを発音よくいうのやめない?鼻につく」というと、彼女は「チーズが?」と冗談をしたり顔で言っていた。
こんな、冗談の言い合いが続いていた・・・。
彼女の親友であるキョウコと出会う。キョウコにどういう関係か?問い詰められた。彼女に明日詳しく聞くからと言い、去っていった。
そのあと、僕は彼女に確認した「君はほんとに死ぬの?」彼女は笑顔で「死ぬよ」といい、僕が「・・・そうか」というと彼女はいつもより笑みを深めた。

④「共病文庫とは彼女の遺書・そして旅行」

共病文庫には彼女なりのルールがある。死んだあと、親しい友人や家族に公開されることになっている。それまではだれにも見せない。僕の名前は載せない。
学校に行くと彼女と出かけたことがまた噂になっていた。
そして、彼女からメールがきて遊びにいくことになるのだが、僕には全く許可を取らず、泊まりで旅行に行くことになった。
なんやかんやあってホテルの同じ部屋に泊まることになる。そこで、「真実か挑戦かゲーム」をすることになる。このゲームは勝った方が負けた相手に「真実か挑戦か」選ばせる。 真実を選んだら質問に答える。答えられなければ、挑戦を選び、相手の言うことを一つ聞く。
このゲームを10回戦やることになり、最後は彼女が勝った。沈黙のあと彼女が「私が死ぬの怖いといったらどうする?」といい・・・
次の日、家につくと彼女の連絡を待っている僕がいた。
休み明けの月曜日、学校につくと上履きがなくなっていた。

⑤「初めてのけんか」

彼女の家に行くことになり、そこでけんかをしてしまうが・・・。

⑥僕は初めて僕の気持ちに気づく

次の週の月曜日、彼女は入院した。僕は、お見舞いに行くと彼女の様子がおかしい・・・僕は彼女に何かあったのか?もうすぐ死ぬんだろ?と問い詰めるが彼女にはぐらかされてしまう。
僕は、彼女に「生きるとは何か?」聞いた。その答えを聞いて、僕は自分自身の気持ちに気づいた。
その後、退院の日まで彼女と楽しく過ごした。

⑦「退院の日」

カフェで待っていると彼女からメールが来た。

  • 彼女「今家に帰りました!ちょっとだけ遅れちゃうかも・・・」
  • 僕「退院おめでとう。今君のこと考えていたよ」
  • 彼女「珍しい・・・病気?」
  • 僕「君と違って健康体だよ」
  • 彼女「ひどい・・・バツとして私をほめなさい」

僕は彼女のことを考えるとほめる言葉がたくさん浮かんでくる・・・そして、僕は返信する・・・

⑧「共病文庫」

彼女の実家で「共病文庫」を読み、本当の気持ちを知る・・・

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感想

ずっと楽しめる小説でした!最初は【僕(秘密を知っているクラスメイトくん)】と【彼女(山内(やまうち)桜(さく)良(ら))】はどういう関係でなぜそんな関係になったのかがちょっとずつわかっていって物語に引き込まれていきました。
物語が進むにつれて僕と彼女(山内(やまうち)桜(さく)良(ら))掛け合い・関係性がとても面白いです! ハイテンションな彼女が膵臓ネタでぼけて僕が冷静に突っ込んだと思ったら、僕が冷静にぼけたのを彼女がハイテンションに突っ込む掛け合いは笑ってしまいました。彼女が強引に遊びに連れまわしているように見えて実は僕も乗り気で・・・。 男目線だと嫌々と言いながら、強引に連れまわされたりするのは結構憧れだったりするので僕の状況に感情移入して楽しめました。 また、関係性が変わっていくにつれて僕が【秘密を知っているクラスメイトくん】から 【地味なクラスメイトくん】→【仲のいいクラスメイトくん】・・・と名前が変わっていくところも僕の成長と彼女の感情の変化を表しているようでなんか良いなと思いました。

そして、ラストでは物語の終わり方に一本取られたと思いました!まさか、そんな終わり方になるのかと・・・。 今までにないパターンで新鮮な感じがして、個人的には好きです。ずっと僕目線で物語が進んでいて、僕から見てわからなかった彼女の気持ちが「共病文庫」を読んでわかります! その瞬間、涙が止まらなかったです。本の中の僕が「お母さん、…もう泣いても、いいですか」のセリフに一緒に号泣してしまいました。 僕の心の成長がはっきりと行動に現れていて、彼女と関わったことで僕が人つながることの素晴らしさに気づき生活していく姿に感動しました。

読んだ後も、いろいろなシーンがよみがえって綺麗な気持ちで読み終えられました。 例えば、彼女が生きるとは何かを僕に喋るところが、押し付けがましいわけじゃないけど心に入ってくる感じのシーンとか。 最後に、彼女の親友「恭子」が僕を呼んだ時、【】ではなく「○○」と僕の名前を呼んだシーンは僕が人つながることができるようになったという成長の証だと思った。 また、僕の名前が彼女の桜良という名前とあっているように感じとか。彼女にとって生きるとは何か?答えるシーンなどなど・・・とても、よい気分でした!!

人との繋がりを望まない僕。人と繋がることで自分の存在を保つ彼女。僕と彼女はお互いにないものをもっていたからこそひかれあっていて、それは性格を変えていってしまうほどの出会いでした。 それはとてもあこがれるけど、起こそうと思って起きることじゃないからこそ、この本は、こんなにも楽しめるのだと思いました。 また、男目線で主人公の僕に同化できるところがまたこの本の良さだと思います。自己完結的に生きようとする気持ちに同調して、追体験してしまいます。

生きるということ、人と関わることで成長していくことがわかる素敵な小説です!最近なんかつまらないな・・・とか、人間関係めんどくさいなと思ったらおススメです!(笑)ぜひ、引きこもって読んでみてください!

小説
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