金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント

まちの本屋ビジネス書

著:ロバート キヨサキ

訳:白根 美保子

お金持ちとはどういう考え方の人なのか、どうやったらなれるのか、4つの収入タイプから教えてくれる本です。

本のまとめや概要、感想・評価・レビューをしていきます。

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あらすじ

ミリオンセラーになった『金持ち父さん貧乏父さん』に衝撃を受けながらも、どこか割りきれない思いを抱いた人は多いかもしれない。
第2弾である本書は、さらに論を進めて、実際に「経済的な自由」を手に入れるためにどんなプロセスを踏めばいいかをテーマにしている。
「金持ち父さん」の教えを実践しようという人にとって待望の書であり、それ以外の人には、お金や仕事に対する自分のこだわりがどこにあるかを気づかせてくれる1冊となるだろう。

「金持ち父さん」と「貧乏父さん」の教えを軸にした展開は前作と基本的に変わらない。
ただ今回は、E(従業員)とS(自営業者)、B(ビジネス・オーナー)とI(投資家)の4つのクワドラントからなる「キャッシュフロー・クワドラント」という図を採用。
それぞれのクワドラントに属する人のお金や仕事に対する考え方の違いを論じ、E、SからB、Iのクワドラントに移行するためのアイデアを提案している。
最終のゴールとするB、Iのクワドラントについては、そこで成功するための指針を示している。

著者によると、この4タイプの人間の違いは、働くのは自分か他人か、お金は誰がどこからもたらすのか、といった考え方の違いが根本にあるという。
自分が属するクワドラントを乗り越え、希望のクワドラントに移行するための手段は、本シリーズ最大のポイントにもなっている「ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する数字や言葉を理解する力)」の修得に尽きる。
税金、資産、投資、負債、貸借対照表などのトピックスをタイプ別に読み解く著者のリテラシーは、今回も新鮮な驚きをもたらしてくれる。

ただ、リテラシーを獲得した後にどのタイプを選ぶかはそれぞれの価値観にかかわる問題である。著者がそこに踏み込んで、BやIを優位においたのは誤解を招くところだろう。 働きがいや自己実現などの「ゴール」もまた無視できない。その点でB、Iがどうなのかも著者に論じてほしいテーマである。(棚上 勉)

内容紹介

本書は、2001年11月発売後ミリオン・セラーになった『金持ち父さん 貧乏父さん』の第2弾、第一作で書かれた基本的な「お金についての考え方」をさらに掘り下げて、 「いまの激動する世界をどう生きたら安全なのか」「どうやったら経済的自由を手にすることができるのか」を教えてくれます。
『金持ち父さん 貧乏父さん』のさらに先、どんなアクションをとるか、どんな考え方をすればよいのか、について知りたい全ての人に応える1冊です。

著者からのコメント

訳者 白根 美保子 2001/06/22

■訳者から一言

「金持ち父さん 貧乏父さん」はおかげさまでたくさんの方に読んでいただき、励ましのお言葉、お叱りのお言葉、さまざまな提案などをいただきました。 ほんとうにありがとうございました。この場を借りて一言お礼もうしあげます。ご意見を参考に、少しでもよい本をお届けできるようこれからも努力していきたいと思います。

■「キャッシュフロークワドラント」とは?

さて、第2弾の「キャッシュフロークワドラント」ですが、このタイトルを見て、「いったいこれ何?」と思われる方もあると思いますのでちょっとご紹介させていただきます。
「クワドラント(quadrant)」というのは辞書で見ますと「四分円」という訳があります。
この本では、二本の直線が交わってできた四つの領域(ちょうど数学のX軸、Y軸の交わったところを想像していただければいいと思います)の左側にEとS、右側にBとIの文字を配したものを示しています。 このアルファベットはそれぞれ従業員(employee)、自営業者(self-employed)、ビジネスオーナー(business owner)、投資家(investor)の頭文字をとったものです。
著者のキヨサキさんはこの図を「キャッシュフロークワドラント」と呼んでいらっしゃいます。「ビジネスの世界はこの四つの種類の人たちによって形作られている」というのが、この図に込められた考え方です。

■この本のテーマ

四つのクワドラントのうち、どれがいいとか、どれが悪いということではないのですが、いま自分が属するクワドラントで満足していない人、 あるいは「金持ち父さん」の教えにしたがって「経済的自由」を得たいと思っている人は、クワドラントを移動するために第一歩を踏み出さなければいけない、そのためのお手伝いがしたい――というのが今回の本のテーマです。
もちろん、金持ち父さんの教えの究極の目的は経済的自由を得るところにあるので、クワドラントの移動といっても、左側のクワドラント(EとS)から右側(BとI)へ移ることが主に取り上げられています。
でも、いまの自分で満足している人も、自分自身やまわりにいる人のことがいろいろわかって、ひじょうに興味深く読めると思います。
個人的な話になりますが、私はこの本をはじめて読んだ後、しみじみと「あー、私は典型的なSだな……」と思いました。 みなさんもこの本をお読みになり、新しいものの見方、「経済的自由」へのご自身の道を見つける助けとしていただけたら……と願っています。

出版社からのコメント

今回著者は、ビジネスの世界を形作る人間を「従業員」「自営業者」「ビジネス・オーナー」「投資家」という、4つの異なるタイプに分ける考え方を中心にこの本を書いています。
それを表すのが、前作の『金持ち父さん 貧乏父さん』では出てこなかった「キャッシュフロー・クワドラント」というキーワードです。 直訳すると、キャッシュフローはお金の流れとか収入を意味し、クワドラントは円を4分割したものを意味するのですが、この図が実はビジネス世界をつくっている4タイプの人たちを指します。

もしあなたがこんな疑問を持っているとすれば、この本のなかに答えが見つかります。「従業員」と「ビジネス・オーナー」の違いは?
失敗する「投資家」がいる反面、ほとんどリスクを負わないで稼ぐ「投資家」がいるのはなぜ?
転職を繰り返す「従業員」がいる一方、「従業員」をやめて実業家になる人間がいるのはなぜ?

経済的に自由になる道を探る時、4つのクワドラントのどこに属していても可能ではあるけれど、「ビジネス・オーナー」や「投資家」の持つ技術を使えば、もっと早くゴールに到達できる、と著者は書いています。
クワドラントのどこに属しているかは、その人の「お金に対する考え方・価値観」によって決まる、だから自分が望めばクワドラントを変えることはできる、そのヒントがこの本に盛り込まれています。
著者はまた、安定した仕事以上のものを求めて行動を開始し、経済的な自由を手にするためのパイプラインを建設し始めたいと思っている人、 あるいは人生を変える心の準備が出来ている人の助けになることを願ってこの本を書いた、とコメントしています。

内容(「BOOK」データベースより)

従業員、ビジネスオーナー、自営業者、投資家、4つの生き方を決める価値観の違いとは?起業家として成功するにはどうしたらいい?答えはこの本のなかにある。

内容(「MARC」データベースより)

ミリオンセラー『金持ち父さん貧乏父さん』の続編。収入のありようで人の生き方を4つに分類、自分の現在の生き方とこれからの目標を再認識させてくれる人生の指南書。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
キヨサキ,ロバート

投資家・著述家・教師

レクター,シャロン

公認会計士・三児の母・経営コンサルタント(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

まとめ

第1部:クワドラントの右側か左側か

  • キャッシュフロー・クワドラントとはどこからお金を得ているかの分類
    E
    従業員
    給料
    B
    ビジネスオーナー
    自分のビジネスからの収入
    S
    自営業
    自分の雇い主は自分
    I
    投資家
    投資からの収入
    どのクワドラントでもお金持ちになれるが稼ぎ方が違う。右側の方が自由な時間が多い。
    すべてのクワドラントに長所と短所がある。
  • クワドラントごとの考え方、リスクに対する反応の仕方
    • E→安定・保証・約束を求める。
    • S→完璧主義・すべて自分でコントロールしたい人、知的に高い教育を受けた人。
    • B→システムを持っていること。他人の上に立ってリーダーシップを取れること。すべてのクワドラントから優秀な人材を集め、任せる。 リーダーシップとビジネスのスキルを持ち合わせた人が成功する。リーダーシップとは、他人の力を最大限引き出す力。 ビジネススキルとは、財務諸表を読む力、マーケティング、セールス、会計、経営、生産、交渉といった能力。
    • I→お金でお金を生み出す。自分で働く必要はない。

【人は自由よりもなぜ安全を求めるのか】

  • 3か月働かないと破産してしまう状態だから。それは、稼いでそのお金をそのまま支出に流れている状態だから。
  • 自由を得るためには、複数のクワドラントから収入を得る。Eにいる人は、Bで稼ぎ、そのお金をIで稼げるようになると自由な時間が増える。

【ビジネスシステムを手に入れる】

  • ビジネスシステムは大きく分けて3つある。
    • ①自分で独自のビジネスシステムを作り上げる。
    • ②既存のビジネスシステムを買う。(フランチャイズ)
    • ③お金を出して既存のビジネスの一部となる。(ネットワーク・ビジネス)
  • ビジネスオーナーになる方法をどうやって学ぶか?
    • ①良き師から学ぶ
      アドバイザーではない。教えてくれる人がどのクワドラントに属するのか注意して聞く必要がある。
      ビジネスシステムを作り上げるための基礎知識を教えてくれる本は、マイケル・ガーバー著、「はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術」だ。
    • ②フランチャイズ権を買ってビジネスシステムについて学ぶ
      買った場合、システムはできているので、人間を組織することに専念できる。
      注意点としては、自分で何から何まで仕切るSにならないこと。Eに徹してビジネスシステムを学ぶことに専念する。
    Bになるために必要なことは、二つある。
    • ①断られる恐怖を克服すること
    • ②人のリーダーになる方法を学ぶこと

【まずは、レベル4の投資家を目指す】

  • レベル0「投資するお金がない。」
    稼いだお金、それ以上のお金を使ってしまう。
  • レベル1「お金を借りる人」
    お金に困ると借金で解決する。
  • レベル2「お金をためてから使う人」
    少額の定期預金などに毎月貯金している。
  • レベル3「賢い投資家」
    タイプが3つある。Aはめんどくさがり。Bは投資が失敗した理由を延々と説明できる人。Cはすべて運頼みの人。
  • レベル4「長期的投資家」
    長期計画を立て、自分の教育にも定期的に投資しており、節税対策もしっかりしている。ウォーレン・バフェットが推奨するやり方。まずは、このレベルに早くなれるように目指すべき。
    このレベルになるためには、ちゃんと机に向かって計画を立てること。自分の消費癖を抑制し、借金、負債を少なくすること。収入の範囲の中から生活し、収入を増やしていくこと。 現実的な収益率を設定し、目標に達するまで毎月いくら投資し、どれくらいの期間それを続けるか見極めること。目標とは投資からいくら収益を得るかということ。定期的に貯金し、優良な投資信託や株を買うこと。
  • レベル5「洗練された投資家」
    レベル4の投資家よりもリスクが取れる余裕と知識を持ち合わせており、さらに経験もある。 投資は総資産20%以下で、もし、失敗しても露頭に迷うことはない。投資の利益を25%~無限大に増やすことができる。自分専用の専門家チームを持っており、定期的に雑誌、新聞、セミナーで勉強している。 得られた利益は次の投資に使い、資産を増やしている。
  • レベル6「資本家」
    このレベルの投資家は百人に1人以下。Iとして優れているだけでなく、Bとしても優れている。他人のお金、時間、才能を相乗的に作用させて大金を生み出すことができる。他人が買う投資を生み出すことができる。

※レベル4の投資家になれない人はレベル5、6の投資家になれない。

【お金は目に見えない】

お金は目ではなく、頭で見る。頭を頼りに投資する人は全体の5%。他の95%は目や感情を頼りにしているからもうからない。
頭で見るためには、ファイナンシャル・リテラシー(お金に関する数字や言葉を理解する)を身につけ、資産(あなたのポケットにお金を入れてくれるもの)は何か、事実として見極めることが必要。 つまり、資産かどうかはお金を媒介とした取引における実際の数字だ。それは、資産にできるかは自分次第、問題は自分自身が資産か負債かということ。

第2部:最高のあなたを引き出す

【なりたい自分になる】

「努力をし続ければ何者かになれる。努力を辞めても何者かになれる。だが、努力をし続けたときと同じ人間じゃない。」
お金は人を中毒にする力がある。その力に気を付けなければならない。
なぜなら、お金にどのような形で引き寄せられるかクワドラントごとにパターンがある。Eはシステムのために、Sは本人がシステムとなって働く。Bはシステムを作り出したり、管理したりする。Iはシステムにお金を投資する。
しかし、EとSの方がリスクは高い。EとSはお金を払ってリスクを背負う。BとIはお金をもらってリスクを背負うからだ。

【どうしたらお金持ちになれるか】

頭を使う必要がある。それは、「BE(なる)-DO(する)-HAVE(もつ)」の順番で取り組むこと。 お金のこととなると、たいていの人は金持ちと同じことを「しよう」、同じものを「持とう」と必死になるがお金持ちになれない。大事なのは「する」ことではなく「なる」こと。 つまり、考え方を強化し(「なる」の部分)、行動を起こし(「する」の部分)、その結果、経済的自由を手に入れること(「もつ」の部分)。
厄介なのは、人間の心の奥底にやどる感情的な考えが論敵に聞こえること。お金に苦労する人は自分の気持ちをコントロールできない。例えば、「危険は冒せない。家族があるんだ。安定した仕事につくしかない。」という人のこと。
感情をコントロールするためには、勝つことや負けることに中立でいること。お金に関するリスクを冒すことについてとても役に立った本は、「ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理」だ。

つまり、EやSのクワドラントからBやIに移動するためには、「する」より「なる」ことが大事。

【銀行そのものになれ】

適切な考え方、心構えがない限り、大きな経済変化に対処することができない。その変化により、富の移転が起こる。EとSが苦しんでいる一方で、BとIはお金持ちになる。その歴史は繰り返されている。
歴史について学ぶのに最適な本は、「入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫) 著ロバート・ハイルブローナー」

BやIは、何もない所からお金を作り出すことができる。そのために必要なことは、銀行の役目をすることだけだ。
そのためにはBクワドラントから始めることをお勧めする。その理由は、2つ。

  1. 会社を持つことで、稼ぐ→お金を使う→税金を払うの順番でお金を使うことができる。
  2. 健全な投資家になるためには「幅広いビジネス感覚」が必要だから。

Bクワドラントへ移動するためには、まずは小さい所から始め、じっくり時間をかけること。 そして、節税を目的としてビジネスや投資をしてはいけない。政府が望むやり方で行ったボーナスに過ぎないのだから。

第3部:クワドラントの右側で成功するために

【まずはよちよち歩きから】

長期的に金銭的成功を得るためには、到達するまでの歩数や目指す方向、かける年数などが大事だ。 続けるためには、自分に優しくすること。そして、BやIになるためには、単なる学習プロセスだけでなく、感情的な学習も必要だと理解していること。目標設定も、控えめに行うこと。

【お金持ちになりたかったらルールを変える】

ルールとは、キャッシュフローのことである。つまり、財務諸表の今日(=支出)、明日(=資産)、昨日(=負債)を変えなければならない。お金に困っている、貧乏だという問題の本質はお金に関する心配にある。 その状態に陥っている人たちのキャッシュフローのパターンを「ラットレース」と呼んでいる。

【ラットレースから抜け出すための7つのステップ】

  1. 財務諸表を作り、1年後の短期目標と5年後の長期目標を設定する。
  2. 投資用口座に貯蓄する。負債を少なくする。負債を減らすために毎月払っていたお金を投資用口座に貯蓄する。
  3. 本当に危険なことは何か知る。
  4. 「何も知らないという投資家」、「答えを探す投資家」、「問題を探す投資家」の三つのタイプの資質を備える。
  5. 目指すべき場所を達成している良き師と反面教師を見つける。自分の周りにいる人が自分の未来の姿だと認識する。
  6. 失敗を他人の所為にしない。やらなければよかったと言わない。失望を覚悟し、失敗から学び、資産に変える。
  7. 自分を信じて行動する。

レベル4の投資家にできるだけ早くなる。そのためには、常にシンプルを心がける。

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感想

お金持ちってどうやったらなれるのだろう・・・?どんな人でどんな考え方をして、どうやったらそんな人になれるのだろうと思っている方におススメの本です!
私は、この本を読んで、もっと頑張ろう!お金を稼ぐためにやれることはこんなにあったんだ!と気づき、やる気になりました!読んだその日から行動してしまいました。

私が働いている会社では、どんなに頑張っても上がっていく収入は高くありません。
私は環境に左右されてお金に困ること、心配することが多々あるのですが、社長にそんな様子はありません。それどころかどんどん収入は増えていきます。 社長と話していても、従業員、給料、事業やお客様に対する考え方、時間の使い方が自分の考え方や時間の使い方と違いました。社長と従業員だから違うのは当たり前ですが、なぜ、社長がそうなのか理解ができませんでした。 ずっと違和感を持っていましたが、その理由に気づきました!戦っているゲームのルールが違うのだと。しかし、そのことに気づいてから、 「仕事で収入を増やすために頑張ると思っていても正直限度がある。」「副業を始めてもなぜ、うまくいかないのかわからない。」 「お金が足りない、もっとお金が欲しい。でも、仕事を頑張るしかない。それだけでは解決しない、漠然としたお金の不安がある。」と思っていた理由が分かりました!

まずは、レベル4の投資家を目指していきたいと思います!

そのためには、財務状態を確認し、改善していくこと。お金についての勉強を頭脳的な学習だけでなく、感情的な学習もしていく。(お金に対する感情的な学習についてはなるほどと思いました!)
今後、目指していく方向の修正にも使いたい本です。何度も読み返してちょっとずつ始めていきたいと思いました。
お金持ちの生態について知りたい方はぜひ、ご一読をお勧めします!

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