コーヒーが冷めないうちに

まちの本屋小説

著:川口 俊和

私は2回泣けました!

本のまとめや概要、感想・評価・レビューをしていきます。

スポンサーリンク

あらすじ

【シリーズ100万部突破】

映画化決定!!
主演:有村架純
2018年9月21日(金)公開

とある街の、とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった
その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

ただし、そこにはめんどくさい……
非常にめんどくさいルールがあった

  1. 過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
  2. 過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
  3. 過去に戻れる席には先客がいる
    その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
  4. 過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
  5. 過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

めんどくさいルールはこれだけではない
それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

喫茶店の名は、フニクリフニクラ

あなたなら、これだけのルールを聞かされてそれでも過去に戻りたいと思いますか?

この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡

  • 第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏(五郎)と別れた女の話
  • 第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話
  • 第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話
  • 第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

  • 感動の声、続々!
  • 「泣いた。とにかく泣きました。素敵な1冊を私の人生に届けてくれてありがとう! 」(女性)
  • 「この本、すごい。こんなに素直にまっすぐに胸に刺さってくる本ははじめて。
    4回泣けますと書いてあったけれど、私は6回も泣いてしまいました。」(女性)
  • 「読みながら亡くなった母のことを思いだし、胸がいっぱいになりました。
    もっと『ありがとう』を伝えておけばよかったと後悔していたけれど、心が救われました。(男性)
  • 「一気に読みました。別々の話だけど、みんなつながっていて、心がほっこりしました。最後の話は、ほんと良かった。
    自分と父ちゃんのこともいろいろ考えた。いい人生だよ。ありがとうございます」(男性)
  • 「心が温かくなった。長い人生、後悔することも多いが、素晴らしいこともたくさんあったと思い出させてくれる。息子にも読んでほしいと思い、プレゼントした」(男性)

出版社からのコメント

シリーズ100万部突破! 誰もが涙する、感動の1冊です。

内容(「BOOK」データベースより)

お願いします、あの日に戻らせてください―。 「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」不思議なうわさのある喫茶店フニクリフニクラを訪れた4人の女性たちが紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語。

著者について

川口俊和(かわぐち・としかず)

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。
代表作は「COUPLE」「夕焼けの唄」「family time」等。本作の元となった舞台、1110プロヂュース公演「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞。本作が小説デビュー作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。元・劇団音速かたつむり脚本家兼演出家。
舞台、1110プロヂュース公演「コーヒーが冷めないうちに」で、第10回杉並演劇祭大賞を受賞。同作で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

まとめ

【恋人】結婚を考えていた彼氏(五郎)と別れた女の話

交際3年目の彼氏(五郎)に「大事な話がある」と呼び出され、「結婚の話」だと期待していた彼女(二美子)は、「アメリカに行く」といわれ、別れを伝えるのだと察してしまった。彼は、別れのわの字も言っていないのに。
彼女(二美子)に説明を求められ、決死の覚悟で伝えようとしたが、彼女(二美子)がそれを遮り「いけば?」といい、彼氏(五郎)が喫茶店を出て行ってしまう。

キャリアウーマンでプライドの高い彼女(二美子)は、喫茶店の店員(数)に一通り説明した後、真顔で「とにかく、私をあの日に、一週間前のあの日に戻してください!」と訴えた。
数は「戻れます、戻れるんですけども・・・現実は変わりません。彼氏(五郎)に思いが伝わったとしてもアメリカに行ってしまうことは変わりません。」と言われ、二美子は「そんなの意味ないじゃないですか!!」と大きな声で抗議した。
それに、平井八絵子(近所でスナックを経営している常連客)に「逆切れしてもしょうがないじゃない」と突っ込まれた。
二美子は落ち込んで突っ伏していたが、がばっと上体を起こし「変わらなくてもいい、このままでもいい、だから、戻らせて、1週間前に!!」といった。しかし、数がまだ条件があるという。
「幽霊の女性がトイレに行った時間にその席に座らないと戻れない」ということである。二美子はなんやかやあったが待つことになる。そして、席が空いた。戻る前にさらにルールがあるという。
それは、コーヒーが冷める前に戻れないと自分が幽霊になってしまうという。二美子は意を決してうなずいた後、数の「コーヒーが、冷めないうちに・・・」といいコーヒーを淹れた。そして、1週間前に戻った・・・。

数は「・・・いかがでしたか?」と二美子に聞いた。この言葉で二美子は自分が過去に戻っていたのだと確信した。そして、数に聞いた。
「現実は変わらないんだよね?でも、これからの未来のことは?」数は「未来は訪れていないのでそれはお客様次第かと・・・」といった。二美子は目を輝かせて「・・・ありがと」といい店を出ていった。

【夫婦】記憶が消えていく男と看護師の話

房木という男は、いつも喫茶店に座りコーヒーを飲んでいる。いつもの数らしくないが「過去に戻って何をするつもりですか?」と話しかけた。
房木は「手紙を渡せなかったその日に戻って妻に渡すためです」という、数は「奥様はどちらに・・・?」この質問に答えられず、 妻の名前も出てこない。その時、高竹が入ってきて房木に話しかけたが、「・・・どこかでお会いしたことがありましたっけ?」と言われてしまった。
高竹はショックでハンカチを落としてカウンターに座りうつむいてしまった。房木は若年性アルツハイマーで妻である、高竹の顔すらもとうとう、忘れてしまったのである。

落ち込んだ雰囲気を変えようと、計(喫茶店マスターの妻)は、一升瓶のお酒を出し、数と高竹の三人で飲んでいたら、幽霊の女性の席が空いた・・・。すると計が強い口調で言った。 「房木さんがあなたに書いたラブレターなら受け取るべきよ!」計がこういうと絶対に曲げないことを知っている高竹と数は苦笑いをしていたが、高竹も読みたい気持ちはあり、過去に戻る決心をする。
数とルールの確認をする・・・。戻りたい日を明確にイメージし、数の「コーヒーが冷めないうちに・・・」という言葉で過去に戻った。その際に房木に未来から来たことがばれてしまい、手紙を渡される。
それを持ち帰った高竹は計と数の前で読み・・・計と高竹は号泣した。房木の心は常に高竹へ向いていたことがわかった。房木は常に夫婦でありたいと願っていたのである。
それがわかった高竹は力強く「帰る」といい、「明日から旧姓で呼ぶの禁止ね」と言い残し帰っていった・・・。

【姉妹】家出した姉とよく食べる妹の話

最近、平井の店(スナック)が二日間閉まった状態だった。高竹がふとそのことをつぶやくと、流は「妹さんが・・・交通事故で・・・それでご実家に・・・」と言い、喫茶店の空気がしんみりしたときに「カランコロン」と喫茶店のドアが開く音がした。
平井が入ってきて、葬儀の話をした。そして、流がふと聞いた。「なぜ、店に行かず、ここに・・・?」すると、平井は「お見通しか・・・」といった。 計は「平井さん」と言いながら、平井の妹から預かった1通の手紙をもって来た。平井は、その手紙を読むと一筋の涙を流した。そして、幽霊の少女が座る席の方を見た・・・。

数の荒業で幽霊の少女が席を立つと平井がそこに座り、ルールの確認をする。
平井は、ルールを確認しながら、妹のことを考えていた・・・。
平井は、ただ謝りたかった。何度も会いに来てくれたのにうっとしいと思ってたこと。邪険に扱ったこと。「たかくら」という旅館を継がせてしまったこと。 久美(平井の妹)にも夢があったとしたら?もし、その夢があったとしたら断念させたのは平井自身である。今さらであるが、平井の後悔は尽きなかった。
だから、あの日に戻って謝りたい。「ごめんなさい。勝手な姉を許して」と。

平井が数を見つめると、数は儀式としていった。「コーヒーが冷めないうちに・・・」
・・・そして、妹に会い、決死の思いで現実に戻ってきた平井は、涙でぐちゃぐちゃになった顔を懸命に整えながら、大きく深呼吸をして、 計に「私、居場所ないかもしれないけど、・・・仕事も全然できないかもしれないけど・・・このまま帰っちゃっても・・・問題ないよね?」と言った。
計は大きくうなずいて「大丈夫でしょ」といった。平井は、お代を払うと颯爽と店を出ていいた・・・。

スポンサーリンク

【親子】この喫茶店で働く妊婦の話

常連客がゆったり過ごしている、いつもの喫茶店の雰囲気が流れていたが、顔面蒼白の計が店に出てきて空気が一変した。みんなが心配し、計もとうとう覚悟したようで入院することを決めた。
計は、生まれつき心臓が悪い。医者からも「出産に耐えられないだろう。出産する場合、母子ともに無事の確率は極めて低い。6週目からつわりが始まり、場合によっては入院も考えなければならない。」と言われている。
計は、不安そうな顔で流を見つめ「でも、こわいなあ・・・」「この子は幸せになれるのかな?」「私どうしたらいいの・・・この子に幸せになって欲しい・・・ただ、それだけなのに、こんなにも怖いなんて・・・」と訴えた。 すると、幽霊の少女がぱたんと小説を閉じ、立ち上がると計の顔をじっと見つめて一度だけ瞬きをして、トイレに向かった。 計は吸い込まれるように幽霊の少女の席に座り、数にコーヒーを淹れるようにお願いをした。流は未来にいって会えなかったらどうするんだと反対したが数が「いつですか?その日を覚えていて会えるようにします。」と計の肩を持った。
計が小さくうなづくと流をじっと見つめた。流は「・・・勝手にしろ」としぶしぶ了承した。そして、数は計にいつ戻るのかと尋ねると「十年後の8月27日の15時」と答えた。数はにっこり笑った。 8月27日は計の誕生日だからである。そして、数は「コーヒーが冷めないうちに・・・」といいコーヒーを淹れた・・・。

未来から戻ってきた計は顔が涙でぐしゃぐしゃになっていたが、悲しいから泣いているわけではないということを、そこにいた誰もがすぐに理解した。
数は、(心ひとつで人間はどんなつらい現実も乗り越えていけるのだから、現実は変わらなくとも、人の心が変わるのなら、この椅子にもきっと大事な意味がある・・・)と信じて今日も言う。
「コーヒーが冷めないうちに」涼しい顔はそのままに・・・。

感想

私は、【夫婦】と【姉妹】の話が泣けました・・・。自分が同じ立場なら絶対に戻りたい!!と思い、話の人物に感情移入して読み進めると旦那さんの気持ちがわかり号泣、妹さんにあった瞬間に号泣でした・・・。
現実は変わらないけど過去に戻って、心の中のしこりにけりをつける。それが実体験としてできるなら、それはとても素晴らしいことなのかもしれない・・・。と思いました。

起こったことは何も変わらないけれども、過去に戻りできなかったことをする。それをすることで、人の心が変わり、現実の困難を乗り越えていくことができる。過去にとらわれず前に進むことができる。とても、優しい話でした!
落ち込んだとき、やる気が出ないときにおすすめです!私は、そんなときに読んで頑張って生きようと思いました!読後感がとても気分の良い状態で、気持ちが前を向いている感じがしました!
続編も出ているということで、読みたいと思います!

小説
スポンサーリンク
まちの本屋 | ビジネス書・ラノベ・漫画・小説をレビュー・おすすめします
タイトルとURLをコピーしました