バイバイ、ブラックバード

小説

著:伊坂幸太郎

5股男の純愛お別れストーリー

本のまとめや概要、感想・評価・レビューをしていきます。

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あらすじ

星野一彦の最後の願いは何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。
そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」
これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。
なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。

まとめ

星野は〈あのバス〉で連れていかれる前に、繭美とともに個性的な5人の女性に別れを告げにいくことになる。

〇一人目の女性

普通の女性。星野との出会いは男性と不倫関係にあり、もやもやしていて、いちご狩りを一人でしに来た時に出会った。
結婚するから別れてくれという星野の話に対して、断固として拒否し、結婚するということを信じないと言い切るのだった。
それに対して星野は信じてもらうために、ジャンボラーメンを30分で食べきったら別れもらうというものだった。

〇二人目の女性

35歳、バツイチ子持ちの銀行員。
子どもと運転中星野が道路の真ん中に立ち、刑事に車を持っていかれたので乗せて欲しいと言われたのが出会いだった。
繭美と結婚することに信じられないようだったが、最終的にはわかりましたと言って納得した。
それに彼女は、当て逃げされたばかりでそれどころではなかった。
それを聞いた星野は当て逃げ犯を見つけ、クリスマスプレゼントを彼女にあげようとする。
そして、クリスマス当日に彼女家に繭美が忍び込むことになる・・・

〇三人目の女性

出会いは、黒い服にロープを持った女性を星野が心配して声をかけたのがきっかけである。
聞くと彼女は、デパートのバーゲンで欲しい服を買うために開店と同時にロープを使って、 屋上から目的の階層へ向かうというのだ。
星野は一緒に並ぶので入り口から入ろうといい、彼女を説得した。このときに仲良くなった。
結婚すると伝えると彼女は疑っていたが、事実確認ができると「さようなら~私、それどころじゃないの」となんの凝りもなく快活にいった。
星野は、残念に思いながら彼女の家を後にした。
星野は、彼女の「それどころじゃないの」ということばが引っ掛かっていた。すると、繭美が知っているという。なんと、泥棒に入る予定だ。 なぜなら、トイレの納戸に地図とロープとマンション部屋番号、パスワードがあったという。
星野と繭美は、彼女が泥棒に入るマンションへ先回りして待つことになる・・・

〇四人目の女性

税理士事務所で働いている、30歳。
耳鼻科でベッドの隣から、星野の「困りました」という声が何度も聞こえる。
ずっと無視していたが、とうとう我慢できなくなり気になり声をかけた。そうしたら、元カノの父が今いる病院の先生だという。
星野は看護師から先生が星野のことを「娘を捨てた男」だと言っていた。と聞き泣きそうになっていた。
それを見た、看護師と隣のベッドにいた女性は笑ってしまい、星野と目が合い会釈するという出会いだった。
四人目の女性は、数字で物事を考えることが好きな人だ。
2か月を1440時間とすぐに計算したり、耳鼻科医が何人いるかフェルミ推定で考えたり、 星野から電話がかかってきた時間が18:18だったことから、嫌な予感がすると思っていたという発言からもわかる。
繭美と結婚すると聞き悲しそうな顔をしていた。しかし、それどころじゃないという。
なぜなら、乳がんの精密検査をすることになったからだという。
別れ際「わたしにもしものことがあったら泣いて頂戴ね」と言われた。これは、出会ったときに星野が四人目の女性にいった言葉だった。
別れたあと、星野は乳がんの精密検査の結果が気になり、病院に行くと笑顔で整理番号を見ながら座っている4人目の女性がいた・・・

〇五人目の女性

33歳、女優。
出会いは、彼女がスポーツドリンクのCMを撮影しているところを星野が見学していて、彼女に声をかけたのが付き合うきっかけになった。
全くタイプの違うはずの二人だが、なぜか気が合ってしまう・・・
初めての出会いのとき、「時代の寵児」から村田兆治を連想したり、「磁場」から地場産業を連想する。
星野が結婚するからと別れを切り出したが断固として拒否した。「絶対に別れないから、だって、別れたくないから」という。
そのまま、押し問答になり彼女は撮影の時間になってしまい、家を出ることになるのだが、家の前に記者が取り囲んでいた。
繭美はおもしろそうだとそれを見物していいたがつまらなくなり、記者にぶつかりちょっかいをかけた。
結果として、彼女を助けることになり、なぜか、一緒の車に乗り撮影現場に向かうことになる。 そして、映画監督が繭美をみてなぜかエキストラとして抜擢してしまう。
撮影現場でも、彼女は「別れたくないんだからね、別れても、別れないんだから」と断固として別れを拒否する。
だが、星野も断固として別れなきゃいけないと告げる。その態度に彼女は駆け引きに負けたような顔をした。
その後、繭美と将来の夢の話になる。その際に星野は「食べるパン」になりたかったといった。
それを聞いて繭美は爆笑するが、彼女とマネージャーは号泣していた。その状況に繭美と星野は理解できずにいた。

そして、最後は繭美が星野を助けようとする・・・

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感想

太宰治の「グットバイ」の伊坂幸太郎版小説。
個性的な5人の女性との別れ方一つ一つが面白い。
特に、5人目の女性と別れるシーンが好きです。
合わない二人のはずなのに、なぜか気が合ってしまう。 それに気付いているのは女性だけで・・・
切ないけど面白い話でした。
そして、最後に繭美とのお別れで、繭美が助けようとします。
繭美から人間味が感じられてそこがまたいい。

泣けて、笑えて、飽きずに読み進められる本です!

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