諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉

まちの本屋ビジネス書

著:為末 大

諦める力とは、自分の人生において幸せになる選択をすること

本のまとめや概要、感想・評価・レビューをしていきます。

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感想

諦める力とは、自分の人生において幸せになる選択をすることだと思いました!

著者の為末大さんは、100mを諦め、400mの道を選び、結果、陸上トラック種目で日本人初の世界大会でメダルを獲得しました。
本書では、そんな、偉業を成し遂げた為末さんから諦めないことによるリスクと道の選び方、進み方のマインドを学ぶことができました。

  • 手段を諦めないことと、目的を諦めないことの違い
  • 手段を諦めないことは美徳となっているが結果として、自分の生活を苦しめることになることもある
  • 諦める力とは、冷静に自分の力と現実を見極めて何を頑張るかという選ぶ努力の必要性

など!
新しい視点を示してくれています。

諦めるとは、ネガティブに捉えられがちですが、為末さんが言いたいことは、現状維持でよい、そのままよい、楽に生きようぜというこではなく、自分が求めている目的と自分にあった手段を選ぶこと、 その努力を怠らず、その手段が本当に自分にあっているのか俯瞰する視点をもって、他者評価ではなく、自分が納得する道を進むことが必要だといっています。
前に進みたいと思ってるけど、進めない人に背中を押してくれるポジティブな言葉だと思います。
夢見勝ちな大きな目標や志ではなく、冷静な視点と分析をもとに説明しているので覚めることなく、安心して読めると思います!
仕事と家庭のバランスが難しかったりして、仕事で中々成果出せず悩んでいるアラサーの方にとって、なぜ、うまくいかないのか、冷静に自分を見つめ直し、納得した選択ができる視点を教えてくれるので、おすすめです!
興味がある方は、下の要約も、ぜひ、読んでみてください!!!

要約のまとめ

①諦める力の有用性

②諦めないこと、他者評価で動くリスク

③自分にとっての幸福とはなにか?自分にあった選択をする

①諦める力の有用性

諦めるとは、終わるとか逃げるというネガティブな言葉に捉えられがちだが、そうじゃない。
「自分の才能や能力を明らかにしてよく理解し、今、この瞬間にある自分の姿を悟る」ことであると本書は、いっています。
この前提心に止めながら読んでほしい。

多くの人は手段を諦めることが諦めることだと思っている。
だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろうか。
為末さんは、高校三年生のインターハイで、先生の勧めで100mを諦め、400mに絞った。
最初は、納得いっていなかったが、自分に100mはあってなかったんだと思うようになった。
小学校から今までを分析して、100mで決勝に出れない人間と400mハードルでメダルをとれる人間どちらに価値があると思うだろうか?

為末さんは、後者を選んだ。
問いを変えることで答えも変わってくるのである。

そんな問いのひとつとして

「憧れの人は自分の延長にいるだろうか?」

これは、著者の

「世の中には、自分の努力次第で届く範囲がある。その一方でどんなに努力しても及ばない手の届かない範囲がある。努力をすることで進める方向というのは、自分の努力に見合った方向なのだ。」

という考えからもとづいている。
なぜなら、自分と接点のない人に憧れて、自分の短所を埋めているつもりが長所ごと削り取っている人がかなりの数いるからである。
人生とは、可能性を減らしていく過程でもある。
それは、何かに秀でるためには絞り込みが必須で、どんな可能性もあるという状態は何も特化できない状態でもあるのだ。
そのために、あきらめる力が必要だ。

②諦めないこと、他者評価で動くリスク

日常においてどこまで俯瞰して、どこまで大きく勝ち負けをとらえるかによって、基準が変わってくる。
何が勝ちか決めておくことで、自分が本当に勝ちたいフィールドでの勝利につながるのだ。
ここをはっきりしていないと他人が決めたランキングを過剰に意識してしまう。
それが本当に自分の人生にとっての幸せにならないことの方が多い。

あきらめないことの中には、積み上げる努力と「何を頑張るか」選ぶ努力がある。ほとんどの人は、積み上げる努力に比重を置きがちで、選ぶ努力の比重が少ない人が多い。
選ぶ努力とは、冷静に自分を見てダメなものはダメと切り捨てる努力が必要になる。
そして、この選ぶ努力を他人のランキングなどに任せてしまうと後で、自分につけが回ってくる。
他人のランキングに乗っかっていると無意識努力を強いられ、勝てなかったときに自分の人生を否定されたような心境になってしまう。
また、1番になったとしてもそれは「一番という状態」なので、それはその時点であるものなので時間とともに揺らいでしまう。
自分自身で、勝てるフィールドを探していない限り、いつまでたっても勝てない状態が続いてしまう。

あきらめることとは、自分の勝てるフィールドを見つけることである。
あきらめないようにすべきことは、自分の勝てるフィールドを探し続けることである。
それは、真剣勝負を避けるということではない。
真剣勝負を避けると、現状維持がベストという風潮につながりやすいからである。

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③自分にとっての幸福とはなにか?自分にあった選択をする

社会の評価ではなく、自分の中に評価軸を持つことが大切である。
他人の評価は移ろいやすく、褒めてくれていた人が手のひらを返したように冷たくなったりするため、自分ではコントロールできない。
だからこそ、自分の中に軸を持つことが大切なのだ。

銅メダルを取ってみんなに褒められてうれしいから、金メダルを取るこのようなループ状態は依存症のようなもので、幸せになれないのではないかと著者は言っています。
なにもかも得られることで幸せになれるわけではない、ある段階が来たら、もうこれはいらないと手放していくことで、幸福が近づいてくるのではないか。
家庭と仕事においても同じで、何か一つあきらめないことを決めて、あとはどちらでもいいやと割り切ったほうが幸福感を得られると思います。
どちらかをあきらめろと言っているわけではなくて、ただ「今はどちらを優先したいのか」を自覚していないと自分に対する不満がたまっていってしまう。
これも手に入れたいという発想の先は、常にできていない足りていないという不満になってしまう。
つまり、未来の欲しいものではなく今の幸せに意識を置けば努力している事自体が、報酬化している場合がある。
自分にあった環境を選ぶことだけでなく、自分が勝てる環境を選ぶことと、自分がどれに時間を割くか決めて、どれを捨てるかを選択することが大切である。

要約のまとめと一言説明

諦める力とは、自分が勝てるフィールドを探し、選ぶ努力すること、他人の評価で選ぶことを捨てること、自分の能力を冷静に見極めること、手に入れたいものことを絞り他は、捨てること、 今の状態に意識を置き自分が大事にしたいことを一つ決めることであると私は、この本を読んで思いました。
私自身、家庭と仕事の両立ができず、どちらも中途半端になってしまい、自分に対して不満が積もり積もっていました。
子どもご飯をちゃんと作って、寝かしつけや夜泣きもちゃんとやりたい、仕事も成果を上げたい、副業でもっと稼ぎたい、あれもこれも欲しいと・・・。
「家庭と仕事はトレードオフ」という著者の考え方にとても感銘を受けました。
私も選ぶ努力を怠らず、勝てるフィールドを探し続け、手に入れたいものの中で大切にしたいことを決め、他を捨てるということをしていきたいと思います。
日々の生活がなぜかうまくいかない、自分に不満がある方、両立したいことがあるけど上手くいかない方は是非読んでみてください!

Amazonあらすじ

商品説明

耐える人生か。選ぶ人生か。
前向きに「諦める」ことから、自分らしい人生が開けてくる。

諦めることは、逃げることにあらず。
与えられた現実を直視し、限られた人生を思い切り生きるために、よりよい選択を重ねていくことこそが「諦める」ことの本質である。
オリンピックに3度出場したトップアスリート・為末大が、競技生活を通して辿り着いた境地。

【目次より抜粋】
■第1章:諦めたくないから諦めた
  • 手段を諦めることと目的を諦めることの違い
  • 「勝ちやすい」ところを見極める
■第2章:やめることについて考えてみよう
  • 「せっかくここまでやったんだから」という呪縛
  • 「飽きた」という理由でやめてもいい
■第3章:現役を引退した僕が見たオリンピック
  • 「勝てなくてすみません」への違和感
  • コーチを雇う欧米人、コーチに師事する日本人
■第4章:他人が決めたランキングに惑わされない
  • 積む努力、選ぶ努力
  • どの範囲の一番になるかは自分で決める
■第5章:人は万能ではなく、世の中は平等ではない
  • 生まれによる階級、才能による階級
  • 「リア充」なんて全体の10パーセントもいない
■第6章:自分にとっての幸福とは何か
  • 世の中は平等ではないから活力が生まれる
  • どうにかなることをどうにかする

著者について

為末 大

1978年広島県生まれ。2001年エドモントン世界選手権および2005年ヘルシンキ世界選手権において、男子400メートルハードルで銅メダルを勝ち取る。
陸上トラック種目の世界 大会で日本人として初のメダル獲得者。シドニー、アテネ、北京と3度のオリンピックに出場。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2013年5月現在)。
2003年、大阪ガスを退社し、プロに転向。2012年、日本陸上競技選手権大会を最後に25年間の現役生活から引退。
現在は、一般社団法人アスリート・ソサエティ、為末大学などを通じ、スポーツと社会、教育に関する活動を幅広く行っている。著書に『走りながら考える』『走る哲学』『負けを生かす技術』などがある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

為末/大

1978年広島県生まれ。2001年エドモントン世界選手権および2005年ヘルシンキ世界選手権において、男子400メートルハードルで銅メダルを勝ち取る。 陸上トラック種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。シドニー、アテネ、北京と3度のオリンピックに出場。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2013年5月現在)。 2003年、大阪ガスを退社し、プロに転向。2012年6月、日本陸上競技選手権大会を最後に25年間の現役生活から引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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